亜硫酸塩
水道水に塩素を入れるように
ワインにも製造段階で亜硫酸塩を入れねばなりません。
入れなければ、すぐ雑菌の繁殖が始まります。

ワインの亜硫酸の危険性についての議論では
安全説が主流ですが、それは亜硫酸にアレルギー
のないひとが、正しく飲んだときにかぎる可能性が大です。

日本の亜硫酸に対する規制は極めてきびしく
一般の食品に対する食品衛生法の規制値は30ppmですが
ワインに関しては350ppmまで認められています。

これは、かつてワインは高価なもので
一度に飲む量が限られていた時代に貿易相手国に
配慮して作られた基準が今に生きているものと思われます。

ディジョン・マスタード用に特別につくられた規制値が500ppm
ですから一度に消費する量の大小は規制値の制定に
かなりの影響を与えていそうです。

今や日本のワイン消費量は昔とは桁違いです。
今こそは水道水から塩素を飛ばすように
亜硫酸を飛ばすワインの飲み方も理解され実行されねばなりません。

ワインの亜硫酸は、平たく言えば亜硫酸ガス(SO2)を水に溶かしたものです。

ガスとしての亜硫酸は猛毒で許容量は数ppm 、数百ppm は
致死量にあたりますが、水に溶けるとその毒性は
数十分の一以下にさがると言われています。

それでも毒は毒です。
ともにモリブデンを成分とする酵素とはいえ、
亜硫酸の解毒にはアルコール解毒酵素とは微妙に違った酵素が
必要なので、アルコール解毒力に個人差があるように
亜硫酸解毒力にも個人差があるであろうと仮定しておいた
ほうが安全です。

酒に強いから、亜硫酸にも強いかどうかはわかりません。

さて、亜硫酸を飛ばす方法ですが
これは皆さんよくご存知のことばかり。
デカンタージュ、大きなグラスに入れて
グルグル回す、そして放置です。

飲む前に栓を抜いて、かなりの時間放置することを
はじめとして、これらの儀式はワインを安全に飲むための
重要な意味があったものと思われます。

デカンタージュも巨大なフラスコ(写真)のようなものに入れて
大きく振り回すやり方は、かなり効果があるかもしれません。

日本で売られているワインは亜硫酸が100ppm±50ppm
ぐらいのものが多いようなので、儀式によって50ppm以下
にしてしまえばよろしいかと考えます。

亜硫酸の危険については、特に喘息を持っている方は要注意です。
皮膚にアレルギーのでる方も注意しましょう。


コメント

マーロウ
2009年7月12日12:01

 先日、知人がワインなんて防腐剤びしばし入ってるから絶対身体に悪い!と力説していたとこでなんともタイムリーな日記ですね。
 栓を抜いてデカンタに入れてぐるぐるまわして暫く放置してから白だとそこから冷やす・・かなり手間がかかりますねえ・・。
 オーガニックワインを定番で置いている店など限られてるしねー。

望海波
2009年7月14日6:16

オーガニックというのは有機農法ですから
もともとは化学肥料を使わないことでしたが
今では農薬にもこだわっているようです。

オーガニックワインも葡萄を無農薬(か減農薬?)で
育てるという意味で、ほとんどの銘柄では
亜硫酸塩はバッチリ入っていたように思います。
最近は変わってきたかな??

>白だとそこから冷やす
たしかに泡(シャンパン)系など振り回したら大変です (^^;

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